”心の状態”と”体の状態”を測るものさし
[2014年09月08日]
パニック障害は、身体的な状態に対する不安の高まりでもある。
パニック発作が生じたとき、例えば過呼吸になったとする。過呼吸は、酸素の血中濃度が高まり、身体的なときに激しい不快感を感じるのであるが、酸素と二酸化炭素の血中バランスがもとれば落ち着いていく。
過呼吸になっているとき、身体的な”異常”を示すものさしは急上昇する。
同時に、”不安”といった心で”異常”をキャッチするものさしも同時に急上昇するのが普通である。
実際には、この二つのものさしは連動するものの、パニック障害の治療においては、別々に機能するものであるという練習が必要になる。
身体感覚暴露などは、そのための重要なアプローチである。
意図的に、過呼吸を発生させたり、心臓の動悸が高まるような活動をし、その身体感覚のものさしが訴えていることと、心のものさしが連動して動こうとすることを意識的に分離するのである。
そのことにより、パニック発作が生じても、決して心地よくはないものの、予期不安という「パニックになるのではないか」という保証ができず終わりのないものに囚われなくなるのである。