年始から、認知行動療法に焦点を当てて、書いています。
今しばらく、認知行動療法の紹介と、発想の仕方などを書けたらと思っています。
認知行動療法では、考え方のみならず、行動の扱いはとても重要です。
行動を変化させる、これは、気合いや根性だ、と訴える人もいるでしょう。
それを否定はしません。ただ、認知行動療法では、より変化しやすい工夫を考えよう、という姿勢をもちます。
例えば、食事の買い物に行きたいのに面倒で行かずに、有り合わせでなんとかするものの後悔が続く、という人がいます。
いろいろなアイデアが浮かびます。
・何を買うのか前日に決めておく
・買い物が出来た自分に簡単なごほうびをあげる
・この取組みを人と共有して、応援してくれている人からのメッセージを目に付くところにはっておく
・買い物と一緒に、自分が行きたい場所に行くように計画する
・常日頃から、散歩など外出をする
・友達と会う機会を持つ
・安いマーケットに行けて、節約できた分は、好きなカラオケに行く
その他、無限にアイデアは広がるのでしょう。
行動を変化させる工夫、どのような行動をしたいのか、どのようにな行動と組み合わせることで、目的とする行動のハードルが下がるのか、考えてみるのです。
様々な外の機関では、認知行動療法の講座や講師も勤めてきていますが、
今年は2月から、久しぶりに当センターで認知行動療法の講座も行います。
「こころアカデミー」も隣の席の同僚が担当者なので、一緒にやっています。
世の中には、
頑張って、変えられること、
どのようにしても、変えられないこと
があります。
認知行動療法でも、それらを明らかにすることは、大切なステップのひとつです。
変えられないことを変えようと頑張り続けることは、大変です。
そして、変えようとする努力よりも、変えられないことを受け止める努力が求められます。
変えられるのに、変えられないと思い込んでしまっていることもあるかもしれません。どのように変えていけるのか、戦略が必要になってきます。
何が変えられることなのか、そして何が変えられないことなのか、
自分の考えていることを整理してみることで、自分の思いの傾向も見えてきます。
自助グループで有名な言葉で、
ニーバーの祈りがあります。
変えられないことをそのまま受け入れる落ち着きを、
変えられることを変える勇気を、
そして、
その二つの違いを見極める賢さ、私にお与えください。
というものです。
続きもあるようですが、それは省略しましょう。
今年2月からは、久しぶりに認知行動療法の講座も、東京メンタルヘルスにて開講します。
認知行動療法は、様々な技法が優れているので、そちらに目が行くことが多いようですが、実際には質問技法をその土台としています。
皆さんと学べる機会があることを、楽しみにしています。
「できない事」にぶつかることがあります。
物ごとをなかなか決断できない、
体調が悪くても休むと言えない、
三日坊主で長続きしない、などと
自分や自分の行動を否定的に見てしまう事があります。
生活の中でも料理ができないとか、自転車に乗れないとか
「できない」ことを挙げていくと結構あるものです。
フリッツ・パールズという精神科医師が
「できない」と言わずに「しない」に言いかえてみなさいと言っています。
「できない」のではなく私たちは「しない」のです。
「しないと決めている」のです。
料理ができない→料理は「しないと決めている」。
自転車に乗れない→自転車に「乗らないと決めている」。
体調悪いけど休めない→体調が悪くても「休まないと決めている」。
なかなか決断ができない→物ごとは「すぐに決断しないと決めている」。
長続きしない→「長くは続けないと決めている」
私たちは「しない」ことを自分で選択しているのであって
決して「できない」ことではないのです。
仕事が忙しい状況で、
「休む」ことを言いだせない、同僚に迷惑をかけたくない、
仕事が溜まってしまうなど
さまざまな理由をつけて「休まない」ことを決断するのです。
これにはメリットもデメリットもあります。
迷惑をかけないというメリットもありますが、
自分の体を大切にしないというデメリットがあります。
できないのではなく主体性をもって「しない」のであると分かることこそ、
自分を大切にし、メリット・デメリットを含め
自分の決断に責任を持てるのではないでしょうか。
でも、「しない(できない)」ことを辛い、苦しいと感じることもあります。
それには、「しない(できない)」を決断した背景が必ずあるはずです。
それは小さい頃の体験かもしれません。
その時にはその決断が必要なことだったのでしょう。
しかし今現在、あなたの生活にその「しない(できない)」は必要でしょうか。
そのことで苦しさ、辛さを感じているならば、
「する」あるいは「してみる」という新たな決断が必要なのかもしれませんね。
一緒に考えてませんか。
平成27年の大晦日、紅白を見ながら、春に出版予定の、認知行動療法の執筆をしていました。
懐かしい曲も、改めて聞いてじんわりとする曲もありました。
書かせてもらいながら、認知行動療法に限らず、心理療法の研究と実践を深めてきた諸先輩方の努力を、無にしないようにしなければならないという思いと、このような機会を形にできそうであることに、感謝を感じておりました。
2月頃からは、久しぶりに認知行動療法の講座も開催させて頂きます。
平成27年(2015年)の仕事の最終日に、「120%でやり過ぎだね。もう少し、エネルギーを無駄遣いしないようにできるとよいね」と、お世話になっている河野慶三先生から指摘をいただきました。
だからこそ、取組める臨床もあると実感しているのですが、認知行動療法でも大切にしているように、客観的な自己観察はさらに深めたいものです。
私自身は、基本的に感情の起伏がかなり激しい方なので、このような取り組みに助けられていることも多々あります。そして、その取り組みは、仕事を通してお会いする皆さんのお手伝いに繋がると実感しています。
平成27年(2015年)を終え、新しい年を迎えるということ、過去に学び、過去を手放し、先に進むということです。
皆様にとっての平成28年、様々なことがあると思います。問題が一切なくなるなんてことは、現実的ではなく、目指すところではありません。大変なことがあっても、なんとかなる、まいっか、と思えるように努力し、対応する力を育み、良い一年になりますことを、心より祈念しております。
私も、もう一歩、もう一歩、頑張らせていただきます。
年末年始の休業期間のお知らせです。
東京メンタルヘルスは、年末年始の期間、休業いたします。
<期間> 2015年12月28日(月)~2016年1月5日(火)まで。
1月6日(水)より通常営業とさせていただきます。
お客様にはご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。
今回は、ある例を共有させていただきます。
Aさんは29歳の女性です。学生の頃は友達や先生、現在は職場の同僚や 上司とうまく付き合い続けることができずに生きづらさを感じていました。
毎回今度こそはうまく振る舞って自分にとって居心地のいい場所にしようと努力しているのです。しかし、日にちを重ねていくと嫌いな人や信じられない人が増え、自分の居場所ではなくなっていく・・・人目を気にし、思っていることを誰にも言えず、苦痛な時間が増えてしまうのです。
そんな辛い毎日をなんとか過ごしていたAさんですが半年が過ぎた頃、とうとう職場に行くと心は頑張ろうとしているのに体の方が拒否反応(めまい・頭痛・腹痛)を示すようになったのです。
⇓ カウンセリング ⇓
Aさんは大変厳しいご両親に育てられ、長女として妹はしなくていい手伝いも言い訳することなくこなしてきました。
思ったことを口にすると全否定する勢いで怒鳴られます。友達と遊ぶ約束も家の手伝いが優先。自分の考えや感情には気づかないように両親の価値観に合わせて生きてきたのです。この事実を当たり前の事だと思い込み、自分を押し殺しているとは思ってもみませんでした。
カウンセリングを重ねAさんは自分の考えや感情に気づき素直にその思いを受け入れ、過去の大嫌いだった自分を認めてあげることができたのです。 そして『先日、母親に自分の思っていることを言ってみたらあまりにもすんなり受け入れられて!!』と嬉しそうに話してくれたのです。
今までは絶対的な存在である母に何も言えなかったAさんが“自分”の考えや感情の重要性に気づき“自分”を表現することをスタートできた瞬間です。
少しずつ幼いころに傷付いた心についても両親に話していこうと計画中です。今の自分なら両親に自分の思いを伝えられる・・・ 成育歴の中で自己表現力を習得する機会をもてず、未熟なコミュニケーションにより他人との間に誤解や勘違いが生じ、人間関係がうまくいかなくなることを繰り返していたのです。
これからはどの場面でも“自分”を表現していくことで、親に作られた自分と決別し自分らしい生き方を探していきたいと力強く語ってくださいました。
カウンセリングを始めたころ、Aさんの大切な価値観は父親に言われ育った言葉でした。そして今・・・自分自身の大切な価値観を見つけました。
(個人情報の守秘のために、多少の修正等を行っておりますのでご了解ください)
メンタル天気をカレンダーに書き込んでご活用いただいた皆様に、2016年1月6日から2016年1月31日の間に、面接相談の一回に限り、通常料金の50%オフでカウンセリングを提供させていただくことをお知らせしております(本年の弊社カレンダーに詳細は記載してあります)。
この機会は、毎日ではなくても構いませんが、メンタル天気を記入いただいたカレンダーを持参いただくことが必須となります。
以上、ご確認いただきまして、カウンセリング申込み時に、「カレンダーでの特典を利用して、カウンセリングを受けてみたい」と受付にお伝えください。
ご利用をお待ちしています。
私たちは、様々なことを体験し、その度に私たちの心も何らかの体験をします。
それは、時にはとても感情が出るものでもあります。
感情は、暴走すると厄介で、苦しみが増大することも多いので、ちゃんとブレーキがあります。
「これ以上、怒っても仕方ないかな」
「今回は、…と考えよう」
「出来ることはここまでだよな」
などというものでもあり、そのブレーキは、多くは若い内に身につけます。
ただ、このブレーキをいともたやすく、利かないものにすることができるものがあります。
それが、「私は正しい」という自分を正当化する考えです。
どうやら、脳レベルでも、研究されているとか。
その立場立場で、正しいことは変わってしまいます。
そして、正しい、と思っていることに対しては、相手の話に耳を傾ける必要がなく感じてしまいがちです。
「私は正しい」と思っているとき、ちょっと注意して振り返ってみるのも良いかもしれませんね。
そして、その正しさを確認したい時に、そして違う視点を探してみようとする時に、客観的に誰かと振り返って見れても良いのかもしれませんね。
コラムを続けることは、なかなか大変ですね
いくつか、この場所ではありませんが、mocosukuという情報発信のHPにも
コメントを寄せているものがありますので、そちらも見てもらえればと思います
さて、今回、とある方から「最近更新していませんよね・・・」という
コメントいただきまして、背中を押して頂いた気持ちで書かせていただきます。
ありがとうございました
このところ、グリーフについて勉強を進めています。その前に、論文で
心理相談は「わからないこと」を「わかろう」とする取組みなのではないか、
ということを書いていました。
まさに、どう解決するのかわからない、どう付き合えば良いのかわからない、
どうすればよいのかは分かるけど、どうすればそうなるのか分からない、
沢山の分からないこと、そのことで生じる苦しみや不安、
それを「わかる」のかもしれないし、「わからないけど、いいや」と思うのかもしれないですね。
悲しみと、怒りと、様々な感情と、いろいろな人と、更には自分と、
どのように付き合えば良いのか、どのように考えられると良いのか、
能動的に、取組みを続ける中で、受動的な理解が訪れるのを待つのかもしれない。
少し、まとまらないままに書いてしまいました。
また、書きます。
読んでいただいた方、ありがとう。