日本嗜癖行動学会の学会誌、「アディクションと家族」の最新号に、
『認知行動療法のアディクション治療における対話技法を主とした効果の考察』
という拙著の論文が掲載された。
タイトルを改めて見直すと、混乱するが、内容はざっくりと
認知行動療法がどのようにアディクション治療に適用されているのか、
その効果についての簡単な報告、対話技法と実施の工夫について述べたものである。
私の現在のスーパーバイザーである、堀越勝先生から教わってきたことから、
発想をいただいたことが多くを占める。
専門誌とはいえ、時になかなかに面白い読み物となる雑誌である。
少しでもお役に立てれば幸いである。
とある報告で、専門誌にのる論文は、8名ほどに読まれるだろう、そのうちの一人は
親である、と言ったものを見たことがある。
あまりにもさびしいので、自ら紹介をしてみることとした。
ご了承あれ。
知的に能力が高く、知的訓練を十分に体験している方への支援を担当することがある。
もちろん、知的に高いからどうだ、という事があるわけではない。
その方々とお会いしていると、個別には様々だが、一定の特徴があるようにも思われる。
その人たちが受けてきた訓練は、その場で問題を処理していく能力と比例しなくもないなぁと感じることがある。それ自体、とても大切な、また高度なスキルであることは言うまでもない。
問題処理の場面において、煮詰まっても解決の糸口が出ない時に、一息入れてクールダウンしようよ、ということは良いアイデアだと思う。
ただ、この人たちは、一息入れることを「逃げる」ことと捉えてしまうのか、四つに組んでガチンコで話を詰めていこうとして、結果として力業に頼っているかのように見えることもある。いや、「逃げる」のではなく、そのガチンコの中で厳しくやりあうことの中に、楽しみを見出している人すらいるのだろうか、などとも想像してしまう。そこで、その厳しい中で正気を保っていられるか、が勝負なのかもしれない。
一息入れながらでも、ちゃんと進めるよ、と思うこの頃である。
これも、私の一専門領域である、認知行動療法で教わったこと。
小学校3年になる息子がお店でものを盗んで補導されました。幸い学校の先生も協力してくださり、また夫婦で丁寧にお詫びしたことで警察沙汰にはなりませんでした。ただ、これは今回に始まったことではなく、ここ数ヶ月で3度目のことです。さらに子どもに話を聞くと、お店の人に気づかれずに何度かものを盗んでしまっていることがわかりました。この息子の盗み癖は治るのでしょうか? それとも生まれつきのもので、息子は犯罪者になってしまうのでしょうか?
職場である女性のグループから誤解を受け、嫌われた。以来、自分の容姿についてバカにされたり、陰口をたたかれている。そのグループが気になり、職場で自分の目線がおかしくなったりする。外出もできなくなってきた。電車に乗ると異性の目が気になり、ドキドキして汗をかき苦しくなってくる。
目標を定め、それに向かって仕事を一生懸命にやる。そしてその目標を達成する。そうするとなぜかその後、自分はそれを壊したくなってしまう。