うつ病の方への対応
- 安易な励ましはしない
うつ病になってしまうと、極端に自己評価が下がってしまいます。ですから、健康な人にとってごく当たり前に思えるような励ましの言葉も、うつ病の方にはとても自分には実現できないことのように響くことが少なくありません。決して安易な励ましをしないで、ゆっくりと休養や治療に専念できるようにしてあげることが大切です。また、「元気がないから、飲みに行こう」「気分転換のために温泉に行こう」といった具合に、気晴らしに誘うのも本人が苦痛に感じることがあります。皆が自分のことを思ってくれて、宴会を設定してくれたのに、盛り上がっている周囲の人々に比べて、自分の惨めな気分が際立ってしまって、さらに抑うつ感が強くなることがあります。
- 心の支えになる、非難しない
うつ病の方は自責感から自分を貶めるような言葉をしばしば口にします。それを毎日のように聞かされていると、周囲のほうがとても耐えられなくなることがあります。そんな時にも、相手の苦しい上体を思いやって、心の支えになってあげることが大切です。たとえ事実であったとしても、うつ病の方に向かって非難するようなことは避けましょう。相手は今、怠けているのでもなく、明らかに病気の状態にあります。徹底的に聞き役に回りましょう。
- 必ず治るので、焦らない
なかなか直らない、あるいは、病状に一進一退があると、周囲のほうが参ってしまうことがあります。そして、わらをもすがるような思いで、テレビなどによく出演しているいわゆる「名医」のもとに連れて行こうとなどと思ったりするものです。そういった周囲の人々の態度に敏感に反応して、本人の不安感が強まってしまうことも良くあります。周囲以上に本人が不安であることをよく理解して、周囲の皆さんはどっしりと構えていましょう。
- 自殺をほのめかしたら、それを決して軽視しない
自殺をほのめかすということは、信号が黄色から赤に変わったというサインと考えましょう。「家族のことも考えずに馬鹿なことをするはずがない」「ただ皆を脅かそうとしているだけだ」などと考えたりしないで、真剣に訴えを聞きましょう。そして、すぐに担当医に連絡して、どのように対応したらよいか相談しましょう。