このホームページのアップも久しぶりになってしまいました。
最近、玉井が取り組んでいることの一つを紹介させてもらおうと思います。 それは、インナーチャイルドのワークと認知行動療法の統合です。
「インナーチャイルド」という言葉をきかれたことはあるでしょうか。 しばしば、子供時代に傷ついてきてそのままになっている過去の自分、つまり 子供のころの自分のことを意味します。
元気なのびのびとしているときの子供を、「ワンダーチャイルド」と呼びます。 傷ついている「インナーチャイルド」が封印してきた気持ちをしっかりと引き出し、 ケアの手を差し伸べ、そのケアが進んだところで更に、 適切に得られなかった“しつけ”のような基本的な知識を与えて、 導いてあげる作業です。
私は、長く家族内の精神的な悩みと関わり、訓練を受けてきたので、 過去にはアダルトチルドレン、つまりAC、今は毒親、という言葉で語られることもありますが、 親子関係で傷ついた過去を持つ人の話を聴かせてもらうことが多くあり、 その過程はまさにそのワークとなることも多々あります。
一方、私の専門とするアプローチでもある認知行動療法ですが、 その実践の中では、多くの方が自分の苦しくなるパターンを見出して、 その悪循環のパターンからでられるようにお手伝いしています。
どちらかというと、問題解決指向で取り組むアプローチであり、 問題を解決できる自分を確認することで、自分に対する肯定的な 感覚を改めて強く確認していく、ということが重要でもあります。
ただ、認知行動療法に取組み、問題はある程度解決していったとしても、 過去の苦しい体験から、自分の心が冷え切ってしまっているひとの心は、 そう簡単には温まること、つまり肯定的な感じを持つことが難しいのです。
そこで必要になるのが、過去にも目を向ける作業です。 このアプローチでは、現在と過去の両面から取組みを進める、ということになります。 「スキーマ療法」とも一部近いものがあります。
都内のクリニックでも、長くこの両面からのアプローチを実践しておりますが、 当カウンセリングセンターでも、その玉井の取組みを紹介しながら、 皆さんにもご紹介できるような学びと実践の場を作っていくことを考えております。
時折、情報も発信させて頂きますので、是非、ご覧ください。
各位
日頃より、当センターのご利用、または活動に関心を寄せていただき、ありがとうございます。
東京メンタルヘルス・カウンセリングセンターでは、相談に訪れる方々の少なくない割合で、トラウマという視点による状態理解、及びアプローチを組み立てることが有益な方々がおられることを認識しております。
当センターの所属カウンセラーには、トラウマという領域について、強く関心を持ち、学びと経験を積み重ねてきているものも少なくありません。
この度、トラウマ・ケア・センターを、改めて立ち上げることとしましたのは、トラウマに悩む多くの方々に対し、支援を届けたいという想いによるものです。
既に、Facebookにてはその後案内をしておりましたが、HP上にては情報の発信をしておりませんでした。改めて、この場にて皆様に共有させていただきます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
東京メンタルヘルス・カウンセリングセンター長
トラウマ・ケア・センター主任
最近、小林麻央さんのブログについて、コメントをされるクライエントさんが少なくない、といった話題を同僚のカウンセラーがしていました。
何とかしたいこと、変えたいことがある。
しかし、それが必ずしも思い通りになるわけではない、という状況。
もちろん、あきらめるわけでもなく、できることはやり続ける。
カウンセリングの中で、変えられること/変えられないこと、をちゃんと見分けることはとても大切なこと。
変えられないことと、どのようにつきあうのか。
そのために、「勇気」「忍耐」「支え」などが必要。
小林麻央さんのブログから、勇気をもらっている人が多いのだろう。
勇気を出している人の存在を知ることで、耐えようとしている人が多いのだろう。
そして、自分の支えとしている人が多いのだろう。
カウンセラーたちも、そのような力の一助となればと、日々様々なことに向き合っています。
小林麻央さんのブログから感じた、もう一つの側面を、当センターが主催するカウンセラー養成の「こころアカデミー」でも配信しています。
アメリカ大統領選が終わりました。
様々な受け止め方があるのでしょう。
未知数なことが増え、不安になっている人も、少なくないようです。
経済のこと、これは既に株価が不安定になっています。
他にも、世界のこともありますが、もう少し近いところのこととして、
東アジアを巡る力関係のこと、軍事・駐留米軍のこと、憲法のこと、様々です。
不安という感情は、その状況に「備えなさい」というメッセージと共に、
実際にその準備にむけた行動を促すエネルギーを私たちに与えてくれます。
不安は、大切なアラームなのです。
ただ、不安が大きくなりすぎて、何も手につかない、というように
なってしまったのであれば、それはちょっと困ります。
私は、その状態を「お化け不安になった」と呼んでいます。
「何をしてもだめなのではないだろうか」
「今更できることはない」
といった考えによって、その”お化け”は大きくなります。
不安をお化けにせず、現実的に留めることが大切です。
不安になると、話しができなくなります。
人の話も聞けなくなります。
そして、ただただ何かに囚われたように主張を続けているかのように、
しゃべり続ける人もいます。
まさに、”お化け”化した不安に囚われてしまうのです。
「あなたは○○が不安なんだね」「私は□□が不安だよ」
そして、お互いに違うところが不安なんだけど、どうしようか、と対話をして、
”お化け”化した不安にのっとられないように、
現実的に検討を深めることを通して、対応をしていきたいものですね。
カウンセリングの実際の場面でも、同様のことは形を変えて繰り返されます。
そして、その不安を見つめつつ、現実的に、”お化け”にやられないように
取り組んでいくのです。
不安が恒常的に0になることは、ありません。
そんなものなのです。
今回の大統領選でも注目されましたが、他でもあちらこちらで見かけるテーマ、
分断と対立について、当センターが主催する「こころアカデミー」のHPにて
書きました。そちらも、ご覧いただければ幸いです。
東日本大震災に際しては、多くの生命が失われました。 未だ多くの人にとり、癒されないままに、心の傷として残っているものも少なくないことでしょう。 まして、自らの子供の死を体験する、ということは耐え難いものでしょう。
喪失に際して、人は、グリーフという悲嘆の作業に入っていきます。 その作業の過程を、キュブラー=ロスは詳しく述べましたが、更なる研究では、 回復の直線があるのではなく、回復に向けたいったりきたりがあるんだ、ということが 明らかになってきています。
その過程では、様々な感情が噴出します。 その感情の向かうところは、様々あるのでしょう。
いずれにせよ、 悲嘆の取り組みを、喪失という体験を、心の中に保てるようになるように、大切な人との関係の仲に保てるようになることを、心より応援したいと考えています。
最近、裁判の話も耳にします。 これも、一つの感情の向かうところなのでしょう。 喪失は、とても大きな体験です。 記憶として残される、その出来事が未来に活かされる、ということも慰めの一つになるのです。
当カウンセリングセンターでも、所属カウンセラーたちが継続的に、 支援を続けさせてもらっています。 志を持ち、心の揺らぎに踏みとどまりながら、しっかりと支援を続けている人たちも、 様々な機関もあります。
また、当センターが運営する心理カウンセラー養成機関であるこころアカデミーでも、そのような支援をしていきたい、学びたいという人たちとも出会います。
心に寄り添うことは、本当に簡単ではなく、私自身、日々悩みながらの取り組みです。
少しでも多くの方の、心が和らいでいきますように、祈念しつつ、学び、取り組み続けたいと考えています。
アメリカ大統領選、3回の討論会も終えました。
2回目は、至上最低の内容ではないかという声も多くあったようです。
我々、心理士は、カウンセリングにおいて、人の話を聴くことをその仕事の中核としています。
我々はただ話を聞いているのではなく、
①なかなか話しにくいが故に整理しにくく、混乱しがちなことを安全な場で話をすることを通してその内容が整理されることのお手伝い、
②自分の思い込みやそれから派生する情緒的な表現の偏りなどを修正し、より感情的に自由な自己の成長を促す、
など視野に入れながら、そこでしっかりと”真実の対話”ができるように取り組んでいます。
話を戻します。
政治の中では、「相手の話を聞いた」ということは「相手の話に理解を示した」ということになり、それは「相手の話に同意した」ということに繋がってしまうのでしょうか。それゆえに、対立を演出しなければならないのでしょうか。
理解することと、同意することは異なります。
それぞれの立場に理解を示しながら、対話を紡ごうとすれば、よりよいアイデアがわいてくるのにな、などと理想的なことを思ってしまいました。
理想は、現実の世界にはありませんね。ただ、理想を求めて取り組むことは、現実的なことですよね。
当カウンセリングセンターでの心理学・カウンセリングの学びは、
こころアカデミーにて行っております。
大隅良典先生、2016年ノーベル生理学・医学賞の受賞、おめでとうございます。
人のやらないこと、更には自分の関心のあることに集中され、結果を出されたこと、その結果が社会の役に立っている、ということの確認のような受賞ではなかったのかと思います。
大隅先生が、自分の興味のわくところを探して、そこを掘り進めると良い、とコメントされたこと、まさにそれが人の心の栄養になることなのだと、改めて認識しています。
人は、自分の心に光を当て、水を与えて温かく豊かに潤っているように、心を整えていくように努めることは、とても大切なことだと思います。
セルフケア、と聞くと難しく感じたり、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、自分の関心のあることを追求する、というと、もう少し分かりやすいのかもしれないですね。
興味のわく活動を見つけること、そしてそれに取り組むこと自体、自分に対してのみならず、社会にとっても役に立つことに繋がることも多いのだと思います。
道を歩いていると、時には石にぶつかったり、穴があったりして、スムーズに進めないこともありますが、それでも歩みを続けていきたいですね。
当カウンセリングセンターでは、30年近く、カウンセラーの養成、支援を続けています。 今は、文科省の認定する大学機関でのカウンセラー教育が増え、心理士も国家資格化となり、 時代の変化も大きく、この領域も随分と広がってきつつある感があります。
現在は、当カウンセリングセンターによるカウンセラー養成等は、 「こころアカデミー」と名を変えたのですが、実体は、東京メンタルヘルス・アカデミーの時代と さほど変わっていません。
以前、カウンセラーとして活動するための勉強や研修期間は、5年近くあったものが、 このスピード社会の影響を受けて、2年に短縮された、ということはありますが、 その後の学びが終わらないこと、カウンセラーとしての就業に至るまでを考えると、 大きな違いはないのだろうと思われます。
先日も、2年目のインターン生たちによる自己研究発表会がありました。 当所ではよく耳にすることではあるのですが、 「カウンセリングを学ぶことによって、自分自身が楽になっていった」 という言葉が今年も多くありました。
単なる心理学の知識を得るだけではなく、それら知識を使って、自分の心を探索し、耕し続けた結果でもあるのでしょう。 講師は、実際に活動をしているカウンセラーたちです。
講師と受講生が、蜜に研鑽しあっている姿を想像して、わくわくしています。
学びは、学ぶこと自体が楽しいこと、それ自体に報酬が含まれているのです。
話は変わりますが、2016年のノーベル生理学・医学賞の受賞、大隅良典さん、すばらしいことですね。
学ぶこと、探求することの面白さが、大変さを凌駕した結果でもあるのでしょう。
私たちも、人の心について、その変化について、学び続け考え続けたいと、改めて思わせてもらい、勇気をもらいました。
「こころアカデミー」のHPも、よろしければごらんください。
リオ・オリンピック、甲子園と時間を見つけてはTVに向かっている人も多いはず。
優れたスポーツの演技は、美しい。
すごい、には留まらない気がする。
人がどのように、自分を輝かせるのか、人間の限界は、人が思っている以上の
ものがある気がする。
実際に、心理相談を通しても、同様の感動がある。
ただただ、それだけ。それが、とても美しい。
体操の内村選手の発言から、考えていた。
喜び、よりも幸せの方が、より深く自分の中から感じ、より深く自分の中に沁み込むのでは、と。
体験から、人は多くのことを学ぶ。
そして、人の言葉は、その教えを伝えてくれる。
ありがたい。
話は変わるが、今、当センターのカウンセラー養成の責任者としての任も負うことになり、取組みを続けさせてもらっている。
『体験セミナー』(8/20)、『マンガでやさしくわかる認知行動療法 実践セミナー』(9/3〜)も見てもらえれば嬉しいです。
私も含め、人は何かしら課題をもっていて、その課題の解決に取り組みながら
日々の生活を送っている
私は心理士なので、多くの人がそれぞれの課題に取り組むこと、そしてその取り組みを先に進めることのお手伝いをすることが仕事でもある
特に、その課題が大きく、取り組みが長期にわたる場合、課題による苦痛が大きい場合、取り組むことを避けてしまいたくなっている場合など、《支え》が必要となる
私たちのような、専門家自身を《支え》と感じてもらうようにするのか、《支え》となるようなものを探し、それを確認してもらうのか、その《支え》のあり方は、その状況や相手によって適切に変化させていくものである
そして、何よりも大切で、かつ難しいのは、《支え》を感じる力を持てるようになることだ
この《支え》を感じる力は、意識して取り組むことで、どんどん大きくなるものである
私自身、この仕事に取り組み続け、心理学という学問、初期はフロイト(私がいうのもおこがましいのだが)から、本当に沢山の、そして今現在も多くの優れた研究者や諸先輩方、同僚からの知的探求、体験の共有、更には多くの出会わせてもらった人たちと共有した時間にも、支えられている
自分以上のことは、そうできるものではないことは自覚しているが、取り組みを先に進め、つないでいきたい