アメリカ大統領選が終わりました。
様々な受け止め方があるのでしょう。
未知数なことが増え、不安になっている人も、少なくないようです。
経済のこと、これは既に株価が不安定になっています。
他にも、世界のこともありますが、もう少し近いところのこととして、
東アジアを巡る力関係のこと、軍事・駐留米軍のこと、憲法のこと、様々です。
不安という感情は、その状況に「備えなさい」というメッセージと共に、
実際にその準備にむけた行動を促すエネルギーを私たちに与えてくれます。
不安は、大切なアラームなのです。
ただ、不安が大きくなりすぎて、何も手につかない、というように
なってしまったのであれば、それはちょっと困ります。
私は、その状態を「お化け不安になった」と呼んでいます。
「何をしてもだめなのではないだろうか」
「今更できることはない」
といった考えによって、その”お化け”は大きくなります。
不安をお化けにせず、現実的に留めることが大切です。
不安になると、話しができなくなります。
人の話も聞けなくなります。
そして、ただただ何かに囚われたように主張を続けているかのように、
しゃべり続ける人もいます。
まさに、”お化け”化した不安に囚われてしまうのです。
「あなたは○○が不安なんだね」「私は□□が不安だよ」
そして、お互いに違うところが不安なんだけど、どうしようか、と対話をして、
”お化け”化した不安にのっとられないように、
現実的に検討を深めることを通して、対応をしていきたいものですね。
カウンセリングの実際の場面でも、同様のことは形を変えて繰り返されます。
そして、その不安を見つめつつ、現実的に、”お化け”にやられないように
取り組んでいくのです。
不安が恒常的に0になることは、ありません。
そんなものなのです。
今回の大統領選でも注目されましたが、他でもあちらこちらで見かけるテーマ、
分断と対立について、当センターが主催する「こころアカデミー」のHPにて
書きました。そちらも、ご覧いただければ幸いです。