「自分はダメだなぁ」と感じる時は誰にでもあると思います。 落ち込むことはあっても、早いうちに気持ちを切り替えられる ことが理想ですが、常に「どうせ私なんか・・・」「何やっても ダメだ」と自己否定的な考えを引きずってしまう人もいます。
自己否定感が強いと自分で苦しい状況を作り出してしまいます。 自分の考えで自信をもって行動することが出来ず、ひとにどう 見られているのかとかどんな風に思われているのだろうかと他 人の言動に過敏になり疲れてしまいます。
自己否定感が強い原因の一つに幼児期の体験があります。 幼児期に親や養育者にありのままの自分を受け入れてもらえな かった体験によります。自分の考えや行動を否定的に受けとめ られ、肯定的なストローク(※)を受けることが少なかった結果、 自分の存在価値を見いだすことができなくなっていると考えられます。
※ストロークとは 相手の存在や価値を認めるような働きかけのことを言い 肯定的ストロークと 否定的ストロークがあります。肯定 的ストロークは微笑む、 優しい言葉をかける、だきしめる、受容するなどもらって“うれしい”気持ちに なるものを言います。否定的ストロークは怒鳴る、にらむ、たたく、非難する、 嘲笑するなどそれをもらうと嫌な気持ちになるものです。
多くを親に依存している幼児期には親の否定的ストロークを根拠なく受け入れてしまいます。そしてそれを修正することが出来ずに育ちます。自己否定感は人生を暗闇にいるように苦しく辛い状態に陥れることさえあります。 自己否定感をやわらげ「自分は自分、これでいいのだ」と自己を受け入れ「自分はかけがえのない存在なんだ」「自分は大切な存在なんだ」と肯定することができるといいのですがおいそれとそうはいきません。自分を語り自分をしり自分を苦しめている否定感を理解し受容していくことが回復(自己変容)への道です。これをカウンセラーと二人三脚でやっていくのがカウンセリングの行程でもあります。
しかし普段の生活のなかで自分でできることがあります。それは自分から肯定的なストロークを発信することです。自分に対しても肯定的ストロークを発信する。「よく頑張ったじぶん」「私ってすばらしい」「俺ってすごい」。 相手に対しても「ありがとう」「おはよう」など気持ち良い挨拶や感謝の気持ち、 「素敵だね」「頑張っているね」など肯定的な言葉を投げかける、するとそれは必ずプラスの言葉が返ってきます。
そうやってプラスの言葉のなげかけや肯定的な関わりがよい影響となって自分に返ってくると徐々に自己否定感をやわらげる好循環が起こっていきます。
否定的な事にスポットをあてず肯定的なところを取り上げるようにしてみるといいですね。 最初は違和感があるかもしれませんが、是非少しの勇気をもってトライしてみてはいかがでしょうか。