発達障害は増えているのか
[2012年11月05日]
増加してきている発達障害?
近年、発達障害は増えてきていると幾つかの学会などでも指摘され始めております。昔は発達障害に対しての詳しい診断が確立されていなかったため、発達障害が看過されてきたというのも一因だと言われています。そのほかの原因としては、遺伝、テレビやコンピューターの広がりによって自ら考える力が減退しているのではないか、食生活の変化や環境ホルモンの影響、運動不足などが幅広く指摘されています。
また、最近は遺伝子レベルでの研究が進み、この障害を引き起こす可能性を持つと考えられる3つの遺伝子が、1995年に発見されました。分娩時の異常、体内でのアルコールや麻薬中毒などで起こる場合もありますが、遺伝的な因子(素因)による影響だという見解も示されています。
以上をまとめてみると、解明が進んできている部分もあるのですが、他の多くの精神疾患と同様、明確な原因は特定できてはいないのです。
ただ、原因が特定できていないと言っても、発達障害を見るときに、社会的要因・心理的要因・生物学的要因を照らし合わせて確認していくことは必須のことと言えましょう。
(『のび太・ジャイアン症候群―いじめっ子、いじめられっこは同じ心の病が原因だった』 司馬理英子著 主婦の友社 参照)