“所有”について【玉井】
[2012年07月28日]
私たちは、何を所有しているのでしょうか。
家族について検討する中で、改めて考えていました。
結婚している夫婦は、相手を所有しているというのでしょうか。家族は、情緒的支援を受ける場所なので、どうしても人と人の間の境界線が揺らぎます。
子供は、親が所有するものなのでしょうか。虐待の認定数もうなぎのぼりです。これは、現代社会で生きる私たち一人一人の課題です。
時々考える人はいないでしょうか。一万年前、私たちが「自分の土地」と考えて必死に守っているところは誰の土地だったのだろうか、と。
私たちの身体の状態や私たちのおかれている環境と関わらず、心は自由だと、多くの人が昔から言っていますし、『夜と霧』の著者のフランクルも言ったのだと思います。
一体、私たちは何を所有できるのでしょうか。
多分、何か大切に持っています。持てるものがあります。
今回は、あえて疑問、という形で書きました。
このようなことを考える中で、揺れることはあるかもしれませんが、「何もない」と無気力に、または「どうしようもない」と終わりのない混乱の中に、いつづけたくないとも思います。