相談室の良し悪しは、一概には言いにくいものです。ある人にとってはいい相談室であっても、他の人にとってはそうでもない場合があるからです。というのは、利用者の相談内容は複雑多岐にわたっていますし、相談室で行う心理療法の内容にもさまざまなものがあるからです。また、カウンセラーの人間性や性格、相談者の人柄もあります。
お互いの信頼と理解を深めながら進めていくカウンセリングは、相性の問題も大きいのです。とはいえ、いい相談機室を選ぶ目安がないわけではありません。公的機関を利用する場合は、自分の悩みを扱ってくれる相談機関に行くしかありませんが、民間機関の場合なら、次の点を参考にしてみてください
まずはカウンセラーの経歴です。経歴といっても、学歴や資格だけで判断せず、どの程度キャリアがあるかを聞いてみることです。たとえば大学院を出てエリートコースを歩いてきた人でも、人生のつらさや苦しさをどれほどわかってもらえるかはわかりません。逆に人柄が良くても、何の資格もない人は専門的にはどうなのか心配なところがあります。
どのくらいの期間カウンセリングの仕事に従事しているか──最低5年のキャリアは必要かと思います。
扱ったケースはどのくらいの数か──5年で200ケース以上が目安になります。
どんな分野に詳しいか、得意分野を聞いてみる──ゲシュタルト療法、行動療法など具体的な療法があげられること、あるいは子どもの問題や性の問題など、特に何を専門にしているのかを明確に答えられるかどうかが大事です。
また電話でアクセスしたときの窓口の応対も、目安になります。
親切に対応してもらえるか(カウンセラーのキャリアを聞いて、答えてくれないところは避けたほうがいいでしょう。)
話していて安心感がもてるかも、選ぶポイントになるでしょう。
相談内容を話して、受け付けてもらえるかどうかを聞きますが、緊急応対の場合をのぞき、直接会ってよく話を聞かないうちに、「それはこうこうしたほうがいい」など、電話でアドバイスが返ってくるような相談室は少し疑問があります。
また、料金も確認して下さい。なかには、10回コース、12回コースなどコース設定をしていて、一括前払いのシステムをとっているところもあります。途中で止めても前払いしたお金が戻ってこないシステムをとっている機関は、クライエントに誠実とはいえず感心できません。
東京メンタルヘルスでは、カウンセラーに倫理綱領の遵守を義務付けています。