統合失調症に限らないが、薬物療法の重要性はわざわざ指摘するまでもないであろう。
実際に、薬物療法が効果を上げているが故に、心理療法が効果を上げることができたという例もある。
近年、エビデンス・ベースド(効果検証がしっかりとされており、一定の割合で効果があると確認されている)のアプローチが注目されている。そして、インターネットの普及もあり、多くの情報に専門家ではない人たちも自由に触れられるようになってきた。
これらは、社会のニーズの結果でもあり、望ましいことではあるが、情報は過多であり、ある研究と正反対の結果を示しているかのような研究結果も存在したりする。それらを適切に読み解くことは、時に難解である。
治療において、処方されている薬について(もちろん症状等についても同様だが)、病気で苦しむ本人の周りの人たちも共に学ぶことは重要である。専門家は、専門的知識に従って行動する。ただ、本人の周りの家族などは、専門家の言うことをただ盲目的に聞くだけではうまくいかない。本人及び家族などは、苦しみが生活の中でどのように見られるのか、何が体験されているのかを最も知っている人たちである。
治療の専門家と、本人及びその周りの人たちが、チームを組んで治療を促進する、ということは、認知行動療法では以前より言われてきたことであるが、近年更に大切だといわれていることである。
処方薬は、時に大きな効果を発揮する。逆に、副作用に苦しむこともある。処方のされ方も、医師により当然のように癖がある。本人も、家族にも様々な特徴がある。
共にいいチームを組んで、治療の促進を期待したい。カウンセラーも、時にそのチームの直接又は間接的な潤滑油となるべく、お手伝いに加われることもある。